咳喘息

咳ほど不可解な生理現象はない。外界からのウイルス、煙等の呼吸器への侵入を防御する、気道に溜まった痰を排出する等、生体の合目的な反射とされているが、些かそのタイミングがよろしくない。大切なお客様からの電話に出た途端、何で今出るかなとばかり連発する。風邪をひき頭が重く、剰え咽喉の痛みとともに治っていたはずの虫歯まで騒ぎ出し、こりゃまずいとばかり早々と床に就いた途端、何で今出るかなとばかり連発する。医学的には眠気→副交感神経優位→気道の収縮→※易刺激性↑→咳→不必要な呼吸→気道粘膜の乾燥→※に戻るを100回以上繰り返す→不眠→抵抗力・免疫力↓→易感染性↑→気管支炎・肺炎へ、といった恐怖の無限スパイラルに突入するのである。咳を引き起こす要因として感染以外には、逆流性食道炎というトリッキーなものから肺癌や心不全というやばいもの、なかんづくアレルギー素因でもあればさらにやっかいなstageへ進展する。即ち咳により気管支の平滑筋が収縮し、かつ気管支粘膜が浮腫を起こし気管支喘息と同じ病態=咳喘息となるのである。とまあメカニズムは理解するのであるが正直、でもそーんなに出る? 生理的な防御反応の範疇を大幅に凌駕してね? ていうか2発目以降まじで必要? 人間がこれまでさんざん進化して自然治癒力を高めてきたあげくがその程度? とまで思えるのである。

2017年06月13日